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錬金術のイメージ・シンボル事典

好評のケンブリッジ大学版(7刷)の翻訳。錬金術書にとどまらず文学作品まで引用する「読む事典」! 貴重な図版50 点掲載。

著者 リンディー・エイブラハム 著 大木 富 訳
ジャンル
出版年月日 2017/10/14
ISBN 9784865980417
判型・ページ数 A5判・400ページ
定価 本体4000円+税
在庫 在庫あり
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内容説明

好評のケンブリッジ大学版、初版から7刷の「読む事典」!

錬金術とは自然科学を生み出した元であり、哲学・思想・文学にも多大な影響を与えている。錬金術における謎めいて難解な象徴やイメージを錬金術書にとどまらず、貴重な図版50 点を含め、チョーサーから、シェイクスピア、ベン・ジョンソン、ミルトン、さらにはナボコフなどの現代作家にまで及ぶ文学作品の引用を通して鮮やかに浮き彫りにしている。優れた参照・参考文献に送られるOutstanding Reference Work Award を受賞するなど研究書における基本図書である。

「chemical wedding  化学の結婚」

錬金術は、エデンの園における堕罪の際に人間は自身の内部で分割され、2 つの性に分離されており、人間の内にある対立する力が一致・調和される時にのみ、完全なるアダムの状態を取り戻すことができるというヘルメス主義の観念に基づいている。このような普遍的な男性の力と女性の力の結合は、物質的世界における病だけではなく、分離した魂の苦痛をも癒すことができる第3 の物質ないしは効力を生み出す。形而上学的に言えば、化学の結婚とは、純粋なる愛(子供、「石」)を生み出すための、創造の意志あるいは力(男性)と知恵(女性)の完全なる結合である。この「石」の創造は、常にある種の犠牲ないしは死を伴う。愛し合う猛禽(→図6)は交尾するが、同時に互いをむさぼり喰らい合う(→bird,strife)。『哲学者の薔薇園』の6 番目のエンブレムは、棺に横たわる結合した恋人たちを描いているが(マクリーン『薔薇園』39)、ミューリウスの『改革された哲学』の6 番目のエンブレム(エンブレム第2 集)で表現されている恋人たちは、その両側にサトゥルヌスと、大鎌を持った骸骨が立つ、ガラスの棺に入れられている(図10)。結婚における死は、結合前の初期の分化された状態の消滅を象徴するとともに、コアグラ(凝固)つまり結婚の祝いの時が、即座にソルウェ(溶解)すなわち死の嘆きに変質されてしまうことも伝えている。多くのテキストがソルウェとコアグラは同時に起こると明言している…。

《著者・翻訳者略歴》
リンディー・エイブラハム
本書執筆時はニューサウスウェールズ大学英語学部博士研究員。錬金術ならびにその文学への影響を研究し、多くの著書、論文を発表している。本書のほかに、アーサー・ディーの〈化学の束〉』、『マーヴェルと錬金術』などの校訂本や著書がある。

大木 富(オオキ トム)
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程修了。神奈川工科大学教授。専門は、16・17世紀の英詩、中世思想史。翻訳書『中世における数のシンボリズム―古代バビロニアからダンテの〈神曲〉まで』(彩流社)ほか。

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