ラインナップ
東宝空想特撮映画 轟く 1954-1984《叢書・20世紀の芸術と文学》
1954 年に劇場公開された『透明人間』から、1984 年の『さよならジュピター』に至るまでの30 年の間に登場した東宝空想特撮映画50本を採り上げ、各作品の特徴や位置づけ、映画音楽についても言及し、東宝空想特撮映画の道程をたどる特撮映画評論の決定版!!
著者 | 小林 淳 著 |
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ジャンル | |
出版年月日 | 2022/05/18 |
ISBN | 9784865980943 |
判型・ページ数 | A5判・464ページ |
定価 | 4180円(税込) |
在庫 | 在庫あり |
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内容説明
1954年に劇場公開された『透明人間』から、1984年の『さよならジュピター』に至るまでの30年の間に登場した東宝空想特撮映画50本を採り上げ、各作品の特徴や位置づけ、映画音楽についても言及し、東宝空想特撮映画の道程をたどる特撮映画評論の決定版!!
戦後日本映画、大衆娯楽映画の歴史の一部を担ってきた東宝空想特撮映画の作り手たちの仕事に懸ける情熱、その映画に音楽を付す作曲家たちの取り組みなど、東宝空想特撮映画を形成した作品群を顧みることで日本映画史を今一度ふりかえり、映画に生涯を捧げてきた人々の歩みを知ることにより、東宝空想特撮映画の変遷と、東宝の、ひいては日本映画界におけるこのジャンルの発展が浮かびあがる!!
円谷英二生誕120周年
《目次》
はじめに──東宝空想特撮映画の道程をその響きとともに──
序章 東宝空想特撮映画誕生前夜
第一章 東宝空想特撮映画の開幕期を飾る楽音[一九五四〜一九五六]
一『透明人間』(一九五四/監督:小田基義・特技監督:円谷英二 音楽:紙恭輔)
二『獣人雪男』(一九五五/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:佐藤勝)
三『白夫人の妖恋』(一九五六/監督:豊田四郎・特技監督:円谷英二 音楽:團伊玖磨)
四『空の大怪獣 ラドン』(一九五六/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
第二章 空想特撮映画の可能性を拡げる轟音[一九五七、一九五八]
一『地球防衛軍』(一九五七/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
二『美女と液体人間』(一九五八/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:佐藤勝)
三『大怪獣 バラン』(一九五八/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
第三章 時空を超越する映画群を装飾する音調[一九五九]
一『孫悟空』(一九五九/監督:山本嘉次郎・特技監督:円谷英二 音楽:團伊玖磨)
二『日本誕生』(一九五九/監督:稲垣浩・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
三『宇宙大戦争』(一九五九/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
第四章 色彩感豊かなSF映画に活力を注ぐ奏楽[一九六〇、一九六一]
一『電送人間』(一九六〇/監督:福田純・特技監督:円谷英二 音楽:池野成)
二『ガス人間㐧一号』(一九六〇/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:宮内國郎)
三『モスラ』(一九六一/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:古関裕而)
四『ゲンと不動明王』(一九六一/監督:稲垣浩・特技監督:円谷英二 音楽:團伊玖磨)
五『世界大戦争』(一九六一/監督:松林宗恵・特技監督:円谷英二 音楽:團伊玖磨)
第五章 空想特撮映画の百花繚乱の姿を包む響動[一九六二、一九六三]
一『妖星ゴラス』(一九六二/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:石井歓)
二『マタンゴ』(一九六三/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:別宮貞雄)
三『大盗賊』(一九六三/監督:谷口千吉・特技監督:円谷英二 音楽:佐藤勝)
四『海底軍艦』(一九六三/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
第六章 奇想天外映画に華美な光彩を加える音場[一九六四、一九六五]
一『士魂魔道 大龍巻』(一九六四/監督:稲垣浩・特技監督:円谷英二 音楽:石井歓)
二『宇宙大怪獣 ドゴラ』(一九六四/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
三『怪談』(一九六五/監督:小林正樹 音楽音響:武満徹)
四『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』(一九六五/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
五『大冒険』(一九六五/監督:古澤憲吾・特技監督:円谷英二 音楽:広瀬健次郎、萩原哲晶)
第七章 多彩なファンタジー映画をきらめかせる声調[一九六六〜一九六九]
一『クレージーだよ 奇想天外』(一九六六/監督:坪島孝 音楽:広瀬健次郎、萩原哲晶)
『空想天国』(一九六八/監督:松森健 音楽:萩原哲晶)
『クレージーの大爆発』(一九六九/監督:古澤憲吾 音楽:萩原哲晶、宮川泰)
『奇々怪々 俺は誰だ?!』(一九六九/監督:坪島孝 音楽:広瀬健次郎)
二『奇巌城の冒険』(一九六六/監督:谷口千吉 音楽:伊福部昭)
三『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(一九六六/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
四『キングコングの逆襲』(一九六七/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
五『緯度0(ゼロ)大作戦』(一九六九/監督:本多猪四郎・特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭)
六『コント55号 宇宙大冒険』(一九六九/監督:福田純 音楽:広瀬健次郎)
第八章 伝統と新時代の到来の狭間にたたずむ吹鳴[一九七〇、一九七一]
一『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』(一九七〇/監督:山本迪夫 音楽:眞鍋理一郎)
『悪魔が呼んでいる』(一九七〇/監督:山本迪夫 音楽:眞鍋理一郎)
二『ゲゾラ ガニメ カメーバ 決戦!南海の大怪獣』(一九七〇/監督:本多猪四郎・特技監督:有川貞昌 音楽:伊福部昭)
三『呪いの館 血を吸う眼』(一九七一/監督:山本迪夫 音楽:眞鍋理一郎)
第九章 種々のジャンルの交錯を奏でる曲節[一九七三、一九七四]
一『狼の紋章』(一九七三/監督:松本正志 音楽:眞鍋理一郎)
二『日本沈没』(一九七三/監督:森谷司郎・特技監督:中野昭慶 音楽:佐藤勝)
『ルパン三世 念力珍作戦』(一九七四/監督:坪島孝 音楽:佐藤勝)
三『血を吸う薔薇』(一九七四/監督:山本迪夫 音楽:眞鍋理一郎)
四『ノストラダムスの大予言』(一九七四/監督:舛田利雄・特技監督:中野昭慶 音楽:冨田勲)
五『エスパイ』(一九七四/監督:福田純・特技監督:中野昭慶 音楽:平尾昌晃、京建輔)
第十章 多様なエンタテインメント映画を謳う音律[一九七五〜一九七八]
一『東京湾炎上』(一九七五/監督:石田勝心・特技監督:中野昭慶 音楽:鏑木創)
二『HOUSE ハウス』(一九七七/監督:大林宣彦 音楽:小林亜星、ミッキー吉野&ゴダイゴ)
三『惑星大戦争』(一九七七/監督:福田純・特技監督:中野昭慶 音楽:津島利章)
四『火の鳥』(一九七八/監督:市川崑・特技監督:中野昭慶 音楽:ミシェル・ルグラン、深町純)
五『ブルークリスマス』(一九七八/監督:岡本喜八 音楽:佐藤勝)
第十一章 東宝空想特撮映画の変容と新天地を弾ずる管楽[一九八〇、一九八四]
一『地震列島』(一九八〇/監督:大森健次郎・特技監督:中野昭慶 音楽:津島利章)
二『さよならジュピター』(一九八四/総監督:小松左京・監督:橋本幸治・特技監督:川北紘一 音楽:羽田健太郎)
付章 東宝空想特撮映画作品リスト[一九五四〜一九八四]
参考文献
あとがき
索引(人名、映画タイトル)
★「レコード・コレクターズ」(9月号)、「西日本新聞」(8/20付)、「北海道新聞」(8/7付)、「中日新聞」(7/24付)、「東京新聞」(7/23付)、「合同通信」(6/17号)にて『東宝空想特撮映画轟く』が書評・紹介されました‼
「時系列という著述形態をとることで、社のカラーを打ち出すことが興行的成功に直結した時代から、反カルチャーのゆさぶりを経てマーケティングがモノ申す時代へと移る激動の30年を東宝という社がいかに乗り超えていったのかを、音楽の在り方や音楽家との関係性から読み解く一冊となっている」(「レコード・コレクターズ」9月号)
「この本は、伊福部をはじめとした音楽を中心に全盛期の東宝空想特撮映画を概観した研究書だ。五四年の『透明人間』から八四年の『さよならジュピター』までの五十本について、よくぞここまでと思うほど詳しく調べている」(「西日本新聞」(8/20付)、「北海道新聞」(8/7付)、「中日新聞」(7/24付)、「東京新聞」(7/23付)より)
「著者は映画・音楽関連文筆家として数々の著書がある。特撮の神様・円谷英二生誕120周年と銘打たれ、円谷特技監督らが手がけてた1954年から1984年までを本文464ページにまとめた」(「合同通信」6/17号より)
《著者略歴》
小林 淳(こばやし あつし)
映画関連著述家。1958年10月、東京都生まれ。日本映画、外国映画、映画音楽にかかわる評論、文筆を手がける。
【主な著書】『伊福部昭の映画音楽』/『日本映画音楽の巨星たち Ⅰ』[早坂文雄、佐藤勝、武満徹、古関裕而]『日本映画音楽の巨星たち Ⅱ』[伊福部昭、芥川也寸志、黛敏郎]『日本映画音楽の巨星たち Ⅲ』[木下忠司、團伊玖磨、林光]『伊福部昭 音楽と映像の交響』上・下『佐藤勝 銀幕の交響楽(シンフォニー)』『新版 伊福部昭の映画音楽』(以上、ワイズ出版)『ゴジラの音楽―伊福部昭、佐藤勝、宮内國郎、眞鍋理一郎の響きとその時代―』(作品社)『伊福部昭と戦後日本映画』『本多猪四郎の映画史』『岡本喜八の全映画』『ゴジラ映画音楽ヒストリア 1954-2016』『三船敏郎の映画史』(以上、アルファベータブックス)『日本の音楽家を知るシリーズ「伊福部昭」』(ヤマハミュージックメディア)
【主な編著書】『伊福部昭綴る─伊福部昭 論文・随筆集─』『伊福部昭綴るⅡ─伊福部昭 論文・随筆集─』『伊福部昭語る─伊福部昭 映画音楽回顧録─』『作曲家 渡辺宙明』『映画の匠 野村芳太郎』』(以上、ワイズ出版)
《書評・紹介》
「レコード・コレクターズ」(9月号)、「西日本新聞」(8/20付)、「北海道新聞」(8/7付)、「中日新聞」(7/24付)、「東京新聞」(7/23付)、「合同通信」(6/17号)にて『東宝空想特撮映画轟く』が書評・紹介されました‼
「時系列という著述形態をとることで、社のカラーを打ち出すことが興行的成功に直結した時代から、反カルチャーのゆさぶりを経てマーケティングがモノ申す時代へと移る激動の30年を東宝という社がいかに乗り超えていったのかを、音楽の在り方や音楽家との関係性から読み解く一冊となっている」(「レコード・コレクターズ」9月号)
「この本は、伊福部をはじめとした音楽を中心に全盛期の東宝空想特撮映画を概観した研究書だ。五四年の『透明人間』から八四年の『さよならジュピター』までの五十本について、よくぞここまでと思うほど詳しく調べている」(「西日本新聞」(8/20付)、「北海道新聞」(8/7付)、「中日新聞」(7/24付)、「東京新聞」(7/23付)より)
「著者は映画・音楽関連文筆家として数々の著書がある。特撮の神様・円谷英二生誕120周年と銘打たれ、円谷特技監督らが手がけてた1954年から1984年までを本文464ページにまとめた」(「合同通信」6/17号より)