きっかけは何でもいい。本を買ってくれるならば。
「「1週間」で「1カ月分」売れた! 書店の〝嬉しい悲鳴〟の理由は…」
https://withnews.jp/article/f0240910000qq000000000000000W07n10201qq000027305A
こういう試み、小規模の街の本屋でできるならば、ナショナルチェーンなら資金もあるんだし、もっといろいろ集客の施策はできそうな気がする。
取次会社も仕入れを絞ることと返品率を下げることばかりに執着してほしくない。小さい出版社は、もうこのままでは商業出版で食っていくのはますます困難になる。
昔、正社員として働いていた某書店で、やたらと返品率ばかり気にして仕入れにえらく消極的な店長がいたが、確かに返品は少なかったが、売り損じて売上も伸びないし、ほしい本が無いことが増えて来店客数も減ってしまって、結果的に返品率も下がるどころか増えた。
「返品」の「率」なんで、仕入れが減って売り損じが増えて売上が下がれば、返品額が減っても返品率は増える。
かといってなんでもかんでも仕入れればいいという話ではなく、私がいた店舗の最初の上司は、チェーン店220店舗のなかで、売上伸び率1位を記録したことがある店長だったが、その人は本はそんなに読んでなくて、個々の作品に詳しいわけでもなかったけど、毎日何度も店の中を歩き回り、平台はわざと全体が均等の高さになるように本を積んで(数が足らない本は、違う本を下に置いてアンコにして積んでいた)、一冊でも売れると、そこだけ凹むので、すぐに目で見て気づけるようにしていて、売れたら即追加注文を出していた。自動発注とかまだない時代だったから、機械に頼らない知恵だったし、そのあと始まったPOSレジで売れた本を機械が自動発注する仕組みは確かに注文の漏れはないけど、自分で注文してないから、その店の客が何をよく買うのかは、自分で仕入れないと記憶として頭に残らず、それだとこれから出る新刊の仕入れの精度も上がらないので、手間がかかっても自分で注文して仕入れる方が、当時はその店の客層を覚えることができた。スリップもそう。売上数をパソコン画面で見るより版元やシリーズによって形も色も違うスリップの方が確実に記憶に残った。
そんなことは業界の人なら常識で誰でも知っていることだよと誰かさんに言われそうだけど、いまでも本当に常識なのだろうか……。
この記事の執筆・監修者
春日俊一(かすが・しゅんいち)
株式会社アルファベータブックス代表取締役。埼玉県生まれ。
若い頃はシンガーソングライターを目指しながらフリーター。その後、書店員、IT企業、出版社の営業部を渡り歩いたのち、2016年にアルファベータブックスに入社。2018年に事業承継して代表取締役に就任。










